ツイッター小説 140字の風景(怖い)

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140字の風景(怖~いお話)

学校(恐怖シリーズ みかさん)

半世紀近く前

まだ小中学校に

宿直室があった頃。

当番日の夜

仮眠を取っていると

ピチャピチャ水の滴る音が。

水飲み場かと思い

部屋を出て向かう。

しかしどの蛇口からも

水は出ていない。

一体どこから?

その時、後ろからピチャ。

振り向くと

ずぶ濡れの女が佇む。

引越し(恐怖シリーズ みかさん)

急な転勤で

週明けから異動となる。

新居もほとんど内覧せず

不動産会社にお任せだ。

明日初出勤という夜。

ガリガリ、ガリガリ

何かを引っ掻く音。

天井の方から聞こえる。

耳を澄ますと

和室の天袋から。

恐る恐る近づくと

少し開いている。

見開いた眼が覗いていた。

壁(恐怖シリーズ せこべぇさん)

旧家なので風情はある。

私の嫁いできた家だ。

だが床の間や和室が多く

昼間でも薄暗い。

3歳の長女が

壁に向かって笑っている。

どうしたの?と尋ねると

お姉ちゃんがいて

お人形の遊び方を

教えてくれるという。

そう話ながら

オモチャのナイフを

人形に突き刺していた。

新聞(恐怖シリーズ 柴にゃんさん)

妻の様子がおかしい。

ぼーっとすることが多く

それ以外は新聞を

食い入るように見ている。

どうしたのか

尋ねてもうわの空

次第にやつれて

いくのがわかる。

妻の肩を抱きながら

ふとテーブルに目をやる。

新聞の日付は40年前。

一家心中事件を指で、

なぞっている。

髪の毛(恐怖シリーズ 柴にゃんさん)

遅めのお盆休みが取れ

彼女と小旅行へ。

四国の温泉街に着いた。

まずは自慢の湯殿へ。

さすがの伝統ある泉質に

満足して部屋へ戻る。

襖を開けると浴衣を着た

彼女が後ろ向きで座っている。

早かったな!

ん? 彼女はショートカット。

長い髪の女が幽かに笑った。

鬼女(恐怖シリーズ ミクタギ)

忘れぬ光景がある。

ある雨の夜

夕飯を終えた僕は

2階の自室に戻った。

何故かふと

窓の外が気になった。

戸を少しだけ開けると

本降りの雨音が。

その向こうに通りを歩く女 。

白装束に傘も差さず

前を向きゆっくりと

それは凄まじい形相だった。

その夜、僕は高熱を出した。

憑依(恐怖シリーズ ミクタギ)

その昔。寮で相部屋の男。

どこか薄気味悪い。

ある夜目覚めると男がいない。

気になり外に出る。

あたりを探すと墓地が。

誰かが墓を掘り返している。

あ!男だった。

ゆっくり振り返り

こちらへ走ってくる。

恐怖で体が動かない。

その顔は

この世の者ではなかった。

迷信

ある吹雪の日。

こんな夜は誰か訪ねても

決してドアを開けてはいけない

と語り継がれてきた。

数年前、それが災いし

行き倒れの女が

ある家の玄関先で

変わり果てた。

所詮迷信だ。

チャイムが鳴る。

ドアを開けたが誰もいない。

茶の間に戻る彼を

恨めしげに女が見つめる。

獣道

遊びのつもりだった。

有名なお化け屋敷がある。

仲間内で行ってみる事に。

男4人、屋敷までの獣道を進んだ。

先頭を進む私の目の前に

白い塊が落下した。

弾みで大声を出した私に

釣られ皆で来た道を戻る。

『ふざけんなよ。変なもん投げんな!』

「…誰も投げてねぇよ。」

出前

土用の丑の日。

我が家でも出前を取る。

と言っても、私一人だが……。

インターフォンが鳴った。

「お待たせしました!」 鰻重が一つ。

それと子供用のシールが一枚。

『これは?』

「お子さんにサービスです。」

『子供はいませんが……。』

「あれ?注文の時に声が……。」

悪夢

「大丈夫?」

今月から一緒に住む

彼女が心配そうに覗き込む。

『ごめん。』

「どうしたの?良かったら話して。」

俺は誰にも言っていない

小3の時の秘密を打ち明けた。

川で溺れていた女の子を見殺しに。

「仕方ないわよ。小さかったし。」

「でもね、それ小5だから。」

鬼母

久々の夏山は霧だった。

どうやら道に迷った。

良く見ると前方に人影が。

亡き母が笑顔で

こちらに手を振っている。

晩年不仲だったがやはり母親。

導いてくれているに違いない。

ふと足元に目を遣ると

一歩先は谷底だった。

再び顔を上げると

その顔は般若に変わっていた。

百物語

百物語も終盤。

最後の一人が語り始めた。

話は佳境に。

ただ、この娘は誰だろう?

メンバーは一通り把握している。

「屋上から身を投げた女は……」

最後の蝋燭が消えた。

闇、悲鳴、そして静寂。

突然目の前に女の顔が。

「行きましょう?」

そして再び闇に包まれた。

油断

真夜中の雨、女一人では不安だ。

自然と小走りになる。

後ろで気配がし振り向くと女性。

安堵し掛けたが笑っている。

本能的に逃げた。

追ってくる、凄いスピードで。

咄嗟に公衆トイレの

個室に隠れた。

足音は遠ざかる。

助かった……が上方に気配。

女が覗き込んでいた。

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