140字の連載小説

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ツイッター小説 140字の連載小説『観音様のヒモ』⑥

140字の連載小説『観音様のヒモ』⑥ 6. 顔面蒼白の猪俣。その場に跪き、沙織に頭を下げた。 【すみません。殺すつもりはなかったんです。】 涙ながらに赦しを乞う。沙織が近付いてしゃがみ込んだ。 「自首、してくれるよね?」 何度も頷く猪俣……...
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ツイッター小説 140字の連載小説『観音様のヒモ』⑤

140字の連載小説『観音様のヒモ』⑤ 5. やはり見間違いではなかった。彼と目が合った。 『猪俣!』 しかし彼は背中を向けて逃走した。後を追った。何故逃げるんだ。 庭の中に小屋のような建物が見え、その中に猪俣は消えた。 夏樹も続けて中に入っ...
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ツイッター小説 140字の連載小説『観音様のヒモ』④

140字の連載小説『観音様のヒモ』④ 4. 沙織が振り向くと、何とそこには夏樹が立っていた。横には原田もいる。 「夏樹?なんで?」 『いや、沙織さん普通じゃなかったので……付いて来ちゃいました。』 「邪魔しないで!」 沙織は桑嶋に向き直る。...
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ツイッター小説 140字の連載小説『観音様のヒモ』③

140字の連載小説『観音様のヒモ』③ 3. 秋も深まり色付いた葉が道路一面を埋め尽くしている。 東京郊外の沙織邸にも、やがて凍てつく冬がやってくる。 夏樹が戻ると見知らぬセンチュリーが停まっていた。 玄関で原田に出会す。その奥から、ひと目で...
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ツイッター小説 140字の連載小説『観音様のヒモ』②

140字の連載小説『観音様のヒモ』② 2. 彼女は一体何者か? 夏樹の頭にはそれしかなかった。 なぜ自分の素性を知っている? 背中の彫り物からその筋の人間である事は分かる。 そんな人物が何故? 沙織に言われるまま、夏樹は後を付いていく。 「...
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ツイッター小説 140字の連載小説『観音様のヒモ』①

140字の連載小説『観音様のヒモ』① 1. 新型ウイルスの流行も収まり街に活気が戻ってきた。 今宵この店で男女が集う “合コン”が行われる。新しい出会いに心踊らす者。誘われて仕方なくやってくる者。そして目的が少しだけ違うこの男。自分を養って...