ツイッター小説 140字の風景(恋愛)

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140字の風景(恋愛系)②

ウソをつく時

小鼻が膨らむ。

それが君の癖だった。

いつの頃からか

克服したんだね。

全く気付かなかった。

必死で押し隠したのか?

愛が無くなったのか?

確かめるために

最後に質問した。

俺を愛していたのかと。

答えはなかった。

彼女の小鼻は

最後まで動かなかった。

旧愛

親友とその奥さん。

共に高校の同級生だ。

結婚3年目を一緒に

祝って欲しいということで

彼らのマンションを尋ねた。

幸せそうな二人。

嬉しさとほんの少しの

甘酸っぱさが

僕の心に広がった。

リビングの端に

見覚えのあるフォトスタンド。

振り返ると彼女は

目を反らした。

女神

「またコクられちゃった。」

僕の好きな人は

とにかくモテる。

「今度は2組の山本。」

今月だけでこれで5人目だ。

「何で私なのかな?」

それは君が素敵だから。

「なんで彼氏のフリしてくれるの?」

君を守りたいから。

「いつもありがとうね。」

やっぱり好きだ。

そんな君だから。

淡恋

懐かしい物を見つけた。

押し入れにあった

アウターのポケットに

青いクジラのキーホルダー。

中学生の時だ。

お揃いのピンクは確か、、。

元気にしてるかな?

思いを告げることもなく。

若かった 笑

20年前か。

反対のポケットから

ピンクのクジラ。

少しだけ胸が騒いだ。

引際

「何時?」

寝返りながら彼女。

『22時を過ぎたとこ。』

「もう帰らないと。」

急いで身支度しながら

「また連絡するね。」

それには答えず冷蔵庫から

缶ビールを取り出す。

髪型を再度確認した後

「じゃあ、行くから。」

扉がゆっくりと締まる。

ビールを一気に煽った。

永遠愛

「結局、今世では会えなかったね。」

地上を見下ろし

男女が時間旅行を楽しむ。

『惜しい時はあったけどな。』

『この時なんか交差点で擦れ違ってる。』

「こっちの時はお店で隣の席よ。笑」

『来世はもう一度愛し合いたいな。』

こんな二人が

どこかにいるかもしれない。

哀縁

ここ数日

出勤時に見掛ける女性。

幼稚園バスが到着。

肩掛けカバンの

男の子と一緒だ。

通り過ぎる際、

女性に目をやる。

そして必ず目が合った。

ほんの一瞬

誰にも気付かれずに。

地下鉄に降りる前

もう一度彼女を見た。

向こうもこちらを。

園バスは走り出していた。

未熟

今日は誕生日だな。

学校に着くと

あの子にプレゼントを渡す

男どもの群れだ。

微妙な表情でそれを

受け取るあの子。

興味ないフリで通り過ぎた。

放課後あの子の下駄箱に

イヤリングの贈り物を入れる。

そのまま校門を出た。

「直接渡してよね!」

背後であの子が叫ぶ。

秘策

彼女の買い物に同行。

服を選んで欲しいと言う。

これが厄介でどれも似合うよ、

では不機嫌になってしまう。

そこで今日は秘策を用意。

くじ引きを提案する。

◯を引いた方に決める。

彼女が◯を引いた。

素直に喜んでいる。

僕は悔しがりながら

◯のくじを握り締めた。

粉雪

クラスの男女で

少し背伸びした夜の集い。

十数名が疎らになり

いつしかあの子と二人。

夜は急激に気温が下がる。

身を屈めながら

手に息を吹き掛けるあの子。

カイロをそっと差し出す。

「一応、男ね。」

そう言った唇に

自分のを重ねる。

いつの間にか

雪が散らついていた。

結末

何がいけなかったか?

思い当たらない。

何気ない会話。

時折見せる感情。

繰り返される日常。

思い起こしても何もない。

何もないことが理由なのか?

どこまで辿っても続く

果てしない虚しさは

徐々に我が心を支配していく。

いま確かなことは

ここに君がいないこと。

予感

バイトが終わり地下鉄へ。

乗車口に見慣れた娘が。

シティホテルのバイト先で

一緒のミホちゃんだ。

俺は宴会ウェイター。

彼女は配膳係り。

「お疲れ様です!」

どちらともなく言って

到着した車両に乗り込む。

途中大きく揺れた。

バランスを崩した彼女を

思わず抱き締めた。

待ち人

春先に彼と離れて

最初の冬が訪れた。

幼少からいつも一緒。

“イブには帰るから。”

しかしこの3ヶ月

何の連絡もない。

今日この列車が最終。

彼は降りて来なかった。

落胆して踵を返すと

突然視界を塞がれた。

「メリークリスマス!」

懐かしい声を耳が覚えていた。

瞬き

気温は-10℃

その中を彼と一緒に歩く。

寒さもあり少しぎこちない。

初めて一緒に聖夜を迎えた。

やはり気恥ずかしい。

やがて眼前に現れたのは

花々が奏でる

目映い光のシャワー。

通りの両脇を彼方まで

幻想的に照らす。

思わず息を飲んだ。

彼の握った右手に力が籠る。

期待

久々の飲み会で心が踊る。

今日はあの子も来る。

社内でも評判の美人だ。

会場となる居酒屋へ到着。

早めに来たのに

もうほとんど集まっている。

みゆきさんは、、。

回りには男共が群がっている。

仕方なく末席に座ろうとすると

「こっち!」

みゆきさんが手招きする。

えっ?

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