あの日、君は何をした ネタバレなし(まさきとしか)
序盤 抑えるべきポイント
相関図
本編あらすじ
水野大樹の死から15年後、都内のアパートの一室で女性の他殺体が発見された。
警視庁管轄の三ツ矢秀平・田所岳斗が現場に向かう。所轄刑事の田所と警視庁捜査1課の三ツ矢が合流して事件にあたる。
最初の任務は、被害者・小峰朱里の不倫相手とされる百井辰彦の自宅へ向かう事だった。被害者の自宅周辺で辰彦の姿が確認されたからだ。しかし伺った先で、辰彦本人に会うことは出来なかった。
代わりに対応したのは、辰彦の妻・野々子であった。しかし野々子は辰彦はいない。そして何処に行ったかも分からないと言う。
その状況に違和感を覚えた三ツ矢は、質問を重ねるがこれといった返答は得られなかった。
他殺体と一緒にいた筈の百井辰彦は何処へ行ったのか?
野々子の他人事振りは、辰彦の母・知恵を刺激した。
女性が殺害された。その場にいた筈なのにその後の足取りが分からない。その様な報道は世間の憶測を掻き立てる。
現場から逃げたのだ。それはやましい事があるから。女性を殺したのは彼ではないのか?周辺の人間も、口には出さないものの疑惑を持っているだろう。
辰彦がそんな大それた事をする訳がない。当然、嫁である野々子もそう思っている筈なのに、手応えが全くない。
そんな野々子の態度も知恵を苛立たせた。それならば私が辰彦を探す。そう決心した。
野々子の態度は、辰彦失踪に関係しているのか?
同じく野々子に違和感を感じた三ツ矢は、調べを進める。
田所との即席ペアは、正直上手くいっていない。相棒でありながら単独行動を続ける三ツ矢に、田所は次第と不満を募らせる。
そんな最中、三ツ矢単独で前林市に行っていた事が判明。前林市は群馬県。東京都内で起こった事件に何の関係があるのか?
何も言わない三ツ矢。そしてある日もう一度前林市に行くという。田所は自分も連れていけと頼み込む。意外にも三ツ矢は頷いた。
都内の殺人事件と前林市の関係とは?
前林市で三ツ矢が向かった先は、野々子の母親だった。この街でスナックを経営している。母親に野々子の人物像を聞きたかったらしい。
拍子抜けした。そんな事でわざわざこんな遠い所まで。日頃の行動といいますます訳の分からない人という印象だ。
都内に戻り釈然としない田所は、署内で会った先輩から三ツ矢の過去を聞く事になる。
15年前の宇都宮女性連続殺人事件の容疑者・林竜一を逮捕したのは、三ツ矢だったのだ。
15年前の事件と三ツ矢に接点が……。
ネタバレなしで本編を楽しむ
作者の本を読むのは初めて。正直名前も知らなかった。あまり期待せずに読み始めた。
何とこれが止まらない。次々と読み進めあっという間に完読。久々のヒットだった。
物語は全く関連性の無いと思われる、二つの事件から構成されている。
前半では、殺人事件の容疑者が逃亡した夜に事故死した中学生の事件。
後半では、都内のアパートで起こった女性殺害事件。
この二つが、どう関係し関係しないのか?
事実を明らかにしていく流れ・タイミングが実に見事だった。
文章力もさる事ながら、その構成力に圧巻の作品。
この作品は、是非読んで欲しい!
読者の感想
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