楯岡絵麻 VS 佐藤青南 ここがポイント!
序盤 抑えるべきポイント
相関図
本編あらすじ
警視庁管内で男性の他殺体が発見された。38歳の高校教諭。全身には十数箇所の刺し傷があった。管内ではここ2年間に同様の殺人事件が起こっているが、未だ犯人逮捕に至っていない。
その背景には、遺留品、目撃情報の少なさ、それと被害者に怨恨を含めた殺害される理由が見当たらないというのが、最大の謎となっていた。
ところが事件は急展開を見せる。千葉県船橋市のごみ収集所から血の付いたパーカーが発見され、ポケットからクレジットカードの支払い明細が見つかった。それにより、自称・作家志望の岸裕久が捜査線上に上がり、逮捕され絵麻の取り調べを受ける事となった。
絵麻は、得意の行動心理捜査により岸を追い込んでいく。彼の犯行で間違いない。しかし違和感が残る。それはやはり被害者との接点はなく、それなのに十数箇所を刺すと言う怨恨を示す行動。
岸を更に追及すると、ミステリー作家・佐藤青南の名前が浮かび上がってきた。
佐藤青南と岸裕久の関係は?
岸と佐藤の関係を調べていくと、佐藤青南はミステリー作家でありながらオンラインサロンを運営していた。岸はそこの会員である。岸を含めた会員たちは、青南に心酔し彼に尽くすことが喜びと感じていた。
絵麻はこの関係に違和感を覚え、岸の犯行と青南を結び付けるものを探す。彼を調べれば調べるほどその異常性に疑惑は深まる。
佐藤青南はサイコパスでは?
ネタバレなしで本編を楽しむ
この物語は、楯岡絵麻VS佐藤青南の1点。
そこに注目して、最初から最後までご覧ください。
ポイントとしては、
佐藤は犯人なのか?
犯人ならばどの様にして犯行に及んだのか?
佐藤はサイコパスなのか?
サイコパスに対して行動心理捜査は役立つのか?
ミステリー作家としての佐藤青南とは?
これらを抑えながら読んでいくと、絵麻と青南の心理的な移り変わりも含めて、楽しむことが出来ると思います。
絵麻、初の敗北があるのか?ないのか?ドキドキしながら読み進めてください。
最後の最後までしっかり読んでくださいね!
読後感
佐藤青南さんの “楯岡絵麻シリーズ” ハマりにハマって毎回読んでいます。
最愛の恩師を殺人鬼により、残忍に、理不尽に失い、犯人の傍に居ながら気付くことなく取り逃がしてしまった。そんな思いから行動心理学を学び、警察官になる道を選んだ。いつか彼女を殺した殺人鬼を逮捕するために……。
シリーズはこのように始まり、ロングセラー作品となっています。そして今回は、遂に作者・佐藤青南登場。これはファンのみならず、注目を集める事間違いなし。私も同じような気持ちで、行きつけの本屋さんで手に取り、迷いなく購入しました。
その観点から、この作品を評価すると、もう一押し欲しかった。と言うのが率直な感想です。作品自体は、いつもと変わらず面白かった。でも、いつもと変わらずなんです。
佐藤青南登場。このインパクトは宣伝にもなったが、読み手の期待値もかなり上げてしまった。まさに諸刃の剣となり、賛否両論の作品となるような気がします。
ただ、私なりの解釈はこうです。
この作品は、次への伏線。盛り上げるための助走期間だった。一通り読み終えた後、そう感じる自分もいました。是非そうあって欲しい。期待しつつ、楯岡絵麻ファンの私は複雑な思いで締め括りたいと思います。
読者の感想
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