朽ちないサクラ ネタバレなし!(柚月裕子)
(朽ちないサクラ ネタバレありません。)
ミクタギです。
警察組織とは
国家の安全を守るため
日夜努力し続けている。
誰もがそう信じていた。
昨今、
警察の不祥事が
明るめに出るため
その威信は
どんどん失墜している。
正義とは何か?
正義を守るために
目を潰らずを得ない現実。
正に警察組織そのものを
考えさせられる物語だ。
目次
- 作者紹介
- 本編あらすじ
- 本編見どころ
- 読後感
作者紹介
柚月裕子
1968年岩手県生まれ
2008年「臨床真理」で
第7回
「このミステリーがすごい」
大賞受賞でデビュー
2016年「孤狼の血」で
第69回 日本推理作家
協会賞受賞
代表作
「最後の証人」「検事の死命」
「あしたの君へ」
本編あらすじ
登場人物
森口 泉・・・県警広報課職員
富樫隆幸・・・県警広報課課長
磯川俊一・・・所轄生活安全課
津村千佳・・・泉の友人
梶山浩介・・・県警捜査一課長
県警広報課職員・森口泉は、
電話対応に追われていた。
所轄で対応していた
女子大生ストーカー事案が
殺人事件に発展し
被害者が以前から
被害届を提出していた
にも拘らず
受理しなかったことが判明。
しかも発生時、
署員は北海道に慰安旅行中
だったことが
明らかになってしまった。
だが何故情報が漏れたか?
泉には心当たりがあった。
友人であり、新聞記者である
津村千佳に食事中
何気なく話してしまった。
慌てて口止めをし事なきを得た。
そのはずだった。
しかし情報が洩れている。
問いただすため、
泉は千佳を呼び出し真偽を問う。
だが千佳は強く否定した。
信じない泉に対して
必ず汚名は晴らすと言い残し
彼女は去る。
そして数日後、
千佳は遺体で発見される。
他殺だった。
なぜ彼女は殺されねば
ならなかったのか?
疑問を感じた泉は所轄の
同期・磯川に協力を求める。
時を同じくして
上司である富樫から
事件について事情を聴かれる。
千佳と友人であることも
調査済みだった。
やがて捜査一課長の梶山からも
聴取された泉は
真相を明らかにするすべく
磯川と調べを進める。
そこで分かったことは
千佳は殺害される前の一週間
ある街へ何度も足を
運んでいたことだ。
本編見どころ
千佳は何のために
その街へ通っていたのか?
磯川の所属する生活安全課で
派遣社員をしていた女性の
出身地でであることが判明。
しかも彼女は派遣契約を
打ち切られ退職しているという。
本来であれば期間が
延長される予定だった。
更にはストーカー殺人事件で
逮捕された犯人はカルト教団の
メンバーであることが
明らかになった。
カルト教団が絡んでいるとなると
公安警察が関係してくる。
この時点で色々な
出来事が繋がってくる。
物語の焦点である。
点は明らかになってきた。
それではそれらはどのように線に
なっていくのか?
泉と磯川は調べを進め、
まさかの真実に辿り着く。
読後感
親友を信じ切れなかった泉は
罪滅ぼしをするかのように
事件を調べ続ける。
警察職員であり警察官ではない
泉を磯川は支え続ける。
警察は正義であると信じる泉が
事実が明らかになるにつれて
揺らぐ思い。
それでも親友の死の真相に
近づくため追い続ける。
泉は親友への懺悔と
警察組織への信頼。
この二つを胸に事件を調べ続ける。
無事に二つが果たされれば
彼女の心も晴れただろう。
しかし結末はそうはならない。
そこを読み取って欲しい。
彼女がどう事件を調べ上げ
その結果何を思うのか?
警察という特異な組織に
所属するからこその苦悩。
そこからどうやって
自分に決着をつけるのか?
彼女は間違いなく事件によって
新たなステージに進んだ。
親友の死、警察組織の闇
これらを胸に落とし込み
しっかり消化させて
いや、
しっかり消化させるために
間違いなく新たなステージに
進んだ彼女はそれぞれの
想いを胸に生き続ける。
正義を貫く警察官として。
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