彼女が最後に見たものは ネタバレなし(まさきとしか)
序盤抑えるべきポイント
相関図
本編あらすじ
クリスマスイブに発見された遺体の指紋が、昨年夏に起こった死体遺棄事件現場のデータベースと一致した。
この二つの事件に様々な人間模様が重なって物語は進行していく。
都心の空きビルで発見された松波郁子。ほとんどホームレスのような生活をしていたらしい。
一方、昨年夏に千葉の公園で発見された東山義春の遺体。
なぜそこに松波郁子の指紋が残っていたのか?
警視庁戸塚警察署の三ツ矢秀平と田所岳斗は双方から事件を追う。
松波郁子と東山義春の接点は?
松波郁子は重い更年期障害に苦しんでいた。加えて夫・博史の仕事は上手くいかず生活は苦しかった。
そんな生活を続ける中、夫・博史は不慮の事故によりこの世を去る。
この事を深く後悔した郁子は自分を責めた。
自分がもっとしっかりしていれば夫を死なせることはなかったのではと……。
夫の死を悔やんでいた松波郁子。
一方、東山里沙は夫の死後、両親に娘・瑠美奈を預けて生活している。
両親の庇護により生きてきた彼女は、大人になり切れていない。
夫の死を悲しむよりも新たな人生に希望を抱いているようにも見える。
男の影も見え隠れする。
東山里沙の行動には疑問点が多く存在する。
松波博史の死に関わった井沢勇介。
トラックドライバーとして運転する車で自転車に乗っていた博史と接触する。
結果として死因は病死だった。勇介と接触した際には既に死亡していた。
これは松波郁子、井沢勇介双方のその後の人生に大きく影響した。
もっとしっかり健康管理をしていれば……という松波郁子。
博史を轢いてしまった時の感触が忘れられない……という井沢勇介。
これらが絡み合い物語は真相へと向かっていく。
複雑に絡み合う様々な偶然が必然へと事態を導いていく。
ネタバレなしで本編を楽しむ
松波郁子の人生。
すべては此処に帰結する。
その人生を逆行していくと少しずつ真実が見えてくる。
人が生きるとはどういう事か?
考えさせられてしまう。
自分が今行った行為が、もしかしたら誰かの人生に大きな影響を及ぼすかもしれない。
そう思うと背筋が伸びるような気もする。
一方で自分に降りかかる災厄は、誰かのせいによるものなのか?
疑心暗鬼に陥るかもしれない。
そんな事など超越してその先に見えた景色は、さぞ美しいのであろう。
読者の感想
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