桜木紫乃 裸の華 ネタバレなし!踊り子として誇りを持って生きた。それを凌ぐ逸材を前にして…。

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桜木紫乃 裸の華 

ミクタギです。

誇りを持って

仕事をすることは素晴らしい。

たとえそれが日の当たらない

生業だったとしても。

その姿は、

背中を追う者にとって

紛れもない道標となる。

作者紹介

桜木紫乃

北海道釧路市出身

2002年「雪虫」で

第82回オール読物新人賞受賞

2013年「ラブレス」で

第19回島清恋愛文学賞受賞

同年、「ホテルローヤル」で

第149回直木賞受賞

代表作

「起終点駅(ターミナル)」

「星々たち」「ブルース」

本編あらすじ

登場人物

フジワラノリカ・・・40歳 元・ストリッパー

竜崎甚五郎・・・・・38歳 不動産会社社員 元・一流バーテンダー

浄土みのり・・・・・20歳 ノリカの店で働くダンサー

桂木瑞穂・・・・・・23歳 ノリカの店で働くダンサー

牧田・・・・・・・・竜崎の友人

舞台は札幌すすきの。

元・ストリッパーのノリカは

東京のステージで足を負傷し

すすきのに戻ってくることになった。

店には黙って離れた不義理を

後ろめたく思いながら

新しい人生を

ダンスシアター「NORIKA」で

始めるためだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

時はクリスマスイブである。

不動産会社と待ち合わせ

やって来たのが竜崎だった。

紹介された物件と彼の人柄から

ノリカはその店に決める。

店の内装やダンサーの手配など

竜崎に依頼する。

懐の心もとない中、

彼の友人・牧田の助けもあり

準備は進む。

そして、

竜崎が連れてきたダンサーが

桂木瑞穂と浄土みのりだった。

瑞穂も努力家で

良いダンサーだったが

ノリカは、みのりの

粗削りながら類稀な才能を

感じ取っていた。

後はバーテンダーを

探すだけだったが

その場で竜崎は

テストをして欲しいと名乗り出る。

作られたカクテルは絶品だった。

後に、

彼は一流のバーテンダーで

あることが分かった。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

2月、4人での店が開店し

苦しいながらも充実した日々が続く。

彼らの知り合いもやってくる。

ストリッパー時代の

ノリカのファンで余命僅かの男。

竜崎のバーテンダー時代を知る

飲食店評論家の男。

様々な人生模様がそこにあり

店は少しずつ盛り上がっていく。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

店にもメディア関係者が

現れるようになり注目され出す。

そんな中、瑞穂とみのりに

オーディションの声が掛かる。

喜ぶ瑞穂と戸惑うみのり。

そんな中、瑞穂の妊娠が発覚する。

本編見どころ

フジワラノリカ・・・皆に感謝するも、特にみのりについて将来を憂う。

竜崎甚五郎・・・・・ノリカを影ながら支え続ける。

桂木瑞穂・・・・・・これからという時の妊娠に戸惑う。

浄土みのり・・・・・不器用ながらもノリカを慕い続ける。

牧田・・・・・・・・実は瑞穂の子は牧田のである。

新しいステージに

移ろうとする彼らの中、

みのりだけが一心に

ノリカに着いていこうとする。

しかしノリカは

みのりを更に大きく

羽ばたかせたかった。

そこで彼女は

どのような決断をするのか?

ここが物語の焦点である。

それぞれに魅力的な登場人物の

心の機微を味わいください。

読後感

ノリカとみのりの関係性。

この物語は、これに尽きます。

始めて店に来てから

徐々に成長しどんどん才能を

開花させていく みのりを

ノリカは頼もしく思うと同時に

責任を痛感していくことになる。

どうすることが

みのりを最大限に

生かすことになるのか?

思い悩んだ

彼女の決断をご覧ください。

またノリカを支え続ける竜崎。

彼は何を思い、何を求めるのか?

寡黙に彼女を支える姿は

男として非常に魅力的であった。

その彼が出すもう一つの決断も

粋と言わずして何というか?

そんな思いに後押しされ

みのりはどのように

成長していくのか?

素敵な彼らを前に

思いがけず

にやけてしまう私がいました。

読者の感想

元ストリッパーのノリカが足を故障してしまったことをきっかけに、戻ってきた故郷・すすきのでダンスショーを見世物にする店をはじめる。瑞穂・みのりという光と影をあらわすような若手ダンサー二人と、寡黙でミステリアスなバーテンダー竜崎と繰り広げられる ”NORIKA” でのやりとりは軽快で読みやすかったです。またストリップをテーマに置いていることから、文章から色気を感じられて艶っぽいです。フジワラノリカという名前は本名なのでしょうか。源氏名なら本名も知りたかった。時代が違えば私もストリップ劇場見てみたかったです。

骨折し舞台で踊れなくなった主人公のりかが、故郷の札幌すすきのでダンスシアターNORIKAを立ち上げていく話。登場するHAVANA等をネットで探して映像込みで聴きながら立体的に読むと尚楽しめる。正直、著者がこんな作品描けるとは思ってなかったので期待以上に楽しめた。1個は、瞼を閉じても札幌の風景や香りや魅力が全然伝わってこないこと。著者は北海道に住んでるせいか、当たり前すぎて札幌の魅力を軽視してるのだろうか。食もおにぎりばかりだし。結末は期待していたものとは真逆だったが著者の感性だから仕方ない。

みのりの壮行会かつNORIKA閉店の日の竜崎の言葉,みのりさんは何にでもなれます。風に吹かれるようにして羽の色を変える姿をいちばん楽しみにしているのはノリカさんです。このお店のトップダンサーとして恥ずかしくない姿をスクリーンでわたくしたちに見せてください。膝の大怪我でストリッパーを辞め、ススキノで一ダンスシアターを始めたノリカ,訳ありバーテン竜崎,ダンサーみのり,瑞穂。どういう波乱?結末?と思いきや,大げさな事件事故は起こらず,発展的解消,再出発に。この種の店に疎いけれど,機会あれば入ってみたいと思った話。

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