殺した夫が帰ってきました ネタバレなし(桜井美奈)
序盤 抑えるべきポイント
相関図
本編あらすじ
鈴倉茉菜は仙台から上京してアパレルメーカーで働いている。
デザイナーとして活躍する日を夢見て。
そんな彼女には秘密があった。上京する前の出来事。彼女は結婚していたのだ。夫のDVに苦しみ、精神をすり減らして暮らす日々。身も心も限界だった。
ある日、車で山奥へ連れていかれ、そこでも暴力を受ける。咄嗟の弾みで夫を崖下に突き落としてしまった。
その後、茉菜は単身上京する。過去も全て捨てて。
鈴倉茉奈は、夫を殺めてしまった。
上京後、仕事に明け暮れる毎日だったが、好きな仕事を続けられるのは幸せだった。
プロジェクトに関わる事も増え、少しずつデザイナーの夢も近づいたような気もする。そんな矢先、クライアントの担当者・穂高のストーカー行為が始まる。
再三の警告にもめげず、ストーカー行為は収まる気配はない。職場の理解こそあるものの、特別に何か出来る訳でもない。
そして遂に、穂高に自宅を突き止められてしまった。つけられていたのだ。
強引に部屋へ入り込もうとする彼を必死で抑える。そこにまさに救世主が!
しかしそれは、死んだ筈の夫であった。
死んだ筈の夫が何故?
穂高を追い払いそのまま帰す訳にもいかず、茉菜は夫を部屋に迎えた。夫の名は鈴倉和希。
しかし和希のその暴力性は影を潜め、実に温和な性格に変わっていた。茉菜との約束を守り、決して嫌がる事はしなかった。全く別の人格としか思えなかった。
彼は転落のショックで記憶を失ってしまったのだ。
彼との奇妙な生活は続いた。どうしても彼が夫だと信じられない茉菜は、スマホなどを覗き調べるが特におかしな点はなかった。
和希は記憶を失ってしまったのか?
仕事を始めた和希は少しずつ外出するようになった。
ある日彼がよく行くと言っていた喫茶店で張り込んだ。しかし彼に変わった様子はない。暫く様子を見て帰ろうとすると、彼が店の外に出てきた。
そしてそこで制服の警官と何やら話している。深刻そうだが職務質問ではないらしい。
疑問に思いながらも、その日はそれで帰った。
数日後、和希は職場の飲み会で遅くなると言った。茉菜はその日、早く帰れそうなのでそう伝えた。しかし仕事でトラブルがあり、更には急な豪雨で足止めされてしまった。
そのビルで茉菜は和希を見かける事になる。なぜ飲み会の筈の彼がここに?
そして一緒にいるのは、この前の警官。私服で分かりずらいが間違いない。
ここから少しずつ、茉菜の過去が明らかになっていく。
和希と警官の関係は?
ネタバレなしで本編を楽しむ
鈴倉茉菜と和希。
この二人の過去が少しずつ明らかになる。
明らかになるにつれて、物語も徐々に交錯していく。
巡り巡って真実に辿り着いた時、何とも言えない切なさを感じるでしょう。
上坂愛という女。和田佑馬という男。この二人が絡まって謎解きに厚みが出る。
先を予想しながらゆっくりと呼んで欲しい一作。
読者の感想
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