ドライブインまほろば ネタバレなし(遠田潤子)
序盤抑えるべきポイント
相関図
本編あらすじ
坂下憂が義父・流星を殺害した所から物語は始まる。
憂の実母であり流星の妻・芽衣、そして流星の双子の兄・銀河がその死体を発見する。
芽衣は連れ子の憂や流星との間に生まれた来海には全く興味がなく、流星だけが生き甲斐だった。
その流星を奪われ絶望し切っている。
一方、銀河は両親に恵まれない人生を流星と共に生きてきた。
喜びも悲しみも共有してきた筈の弟が殺された悲しみは大きい。
しかしその死を悼む事よりも隠ぺいする事を余儀なくされる理由がある。
二人は非合法な仕事に手を染めていた。
その死は闇から闇へ葬らざるを得ない。
そしてもう一つ問題が……。
流星を殺害した憂は、その非合法な仕事の証拠を収めたパソコンを持って逃走した。
何としても捕まえねばならない。
流星たちが行っていた非合法な仕事とは?
憂は流星を殺害した後、妹の来海を伴って逃走する。
日頃から子育ては勿論、家事の一切を憂にやらせてきた芽衣に来海を任せる訳にはいかない。
その思いで来海を同行させた。
彼は何故流星を殺したのか?
その思いは決して語る事は出来ない。
ただ以前、芽衣の父親である祖父が教えてくれた “十年池”
そこに行けば人生をやり直せるかもしれない。
憂は兎に角そこを目指した。
僅かな希望と共に……。
憂は何故、流星を殺したのか?
憂と来海の逃走中に空腹を満たすため山中のドライブインに忍び込む。
そこで店主の比奈子に出会う。
比奈子はこの幼い二人を放っておく事が出来なかった。
何か深い訳があるに違いない。
それは嘗て失った娘・里桜の姿に二人を重ね合わせたのかもしれない。
三人の奇妙な共同生活が始まった。
比奈子が抱える心の傷とは?
銀河は死に物狂いで二人を探す。
そして漸く見付けた手掛かりは憂が希望を抱く “十年池” が手掛かりとなった。
それぞれが抱える心の傷は、“十年池” に引き寄せられる事で昇華されるのだろうか?
物語の終着点は “十年池” なのだろうか?
ネタバレなしで本編を楽しむ
この物語は三人の視点から書かれている。
それらが引き寄せられ、“十年池” というキーワードで繋がっていく。
坂下憂・比奈子・坂下銀河。
それぞれに心の傷を抱え、それに蓋をする様に生きてきた。
そしてそれぞれが出会う事により、絶望していた筈の心が少しずつ溶けていく。
壮絶な人生を歩んできた三人。
それぞれが最後に辿り着いたのは楽園であって欲しい。
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