佐藤青南 サイレント・ヴォイス ネタバレなし!姉のように慕った恩師が惨殺された。それが刑事になった理由…。

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佐藤青南 サイレント・ヴォイス

ミクタギです!

脳科学は年々進化し

人々の言動も解明される

ことが多くなってきた。

何気ない仕草や行動が

真実を伝えてくれる。

プロファイリングの一環として

警察捜査でも

使われるようになってきた。

今回の主人公も

脳科学の使い手である。

作者紹介

佐藤青南

1975年長崎県生まれ

熊本大学法学部を除籍後

上京してミュージシャンに。

第9回「このミステリーがすごい!」

大賞優秀賞 受賞

2011年

「ある少女にまつわる殺人の告白」

でデビュー。

代表作

「ブラック・コール」

「インサイド・フェイス」

「サッド・フィッシュ」

本編あらすじ

登場人物

楯岡絵麻・・・警視庁捜査一課巡査部長

西野圭介・・・警視庁捜査一課

栗原裕子・・・絵麻の高校時代の恩師。15年前に猟奇的に殺害される。

楯岡絵麻は

行動心理捜査官として

数々の事件を解決してきた。

脳科学を徹底的に学び

捜査に活用するやり方だ。

人間の脳は、脳幹、

大脳辺縁系、大脳新皮質の

3つで構成されている。

役割は次の通り

脳幹・・・人間の基本的な生命維持の機能

大脳辺縁系・・・感情を司る

大脳新皮質・・・思考を司る

人間の脳は

大脳新皮質が発達していて

言葉を介した複雑な

コミュニケーションが

可能になっている。

しかし複雑すぎて

本心とは逆の

意思表示をすることがある。

それが嘘である。

それに対して大脳辺縁系は

本能的な反射を表すので正直だ。

絵麻の行動心理操作とは

大脳新皮質は一切無視し

大脳辺縁系にのみ焦点を当てた

捜査方法であった。

例えば取り調べ中

被疑者に対して質問する際

YES・NOで返答させる。

否定し

顔を左右に動かしたとしても

嘘であれば

瞬間的に顔を上下に動かす。

この一瞬の動きが微細行動、

マイクロジェスチャーという。

常人では見逃すであろう動きを

絵麻は徹底的に見抜き

事件を解決していく。

ただしこの方法は

相手がリラックスした状態で

尚且つ、

通常の動作や癖も理解して

於かなければならない。

そのため取り調べ前半は

事件に全く関係のない話で

リラックスさせる。

相棒の西野は

いつもイライラしてしまうのだ。

そんな彼女が刑事になったのは

ある理由があった。

それは15年前まで遡ることになる。

本編見どころ

絵麻が15年前の高校生の頃

色々なことに行き詰まっていた。

そんな彼女を救ったのが

恩師・栗原裕子だ。

勉強の楽しさや人生について

熱心に指導してくれる裕子に

絵麻は少しずつ心を開いていく。

そして絵麻は大学を目指し

裕子は妊娠し

結婚を控えた状態のある日

裕子は無残にも殺害されてしまう。

自室で絵麻の訪問を待つ間に。

この事件が焦点です。

犯人は結局逮捕されず

15年経った今も分からない。

絵麻は裕子を殺害した犯人を

自らの手で捕えるため

刑事の職を選んだ。

そのために

脳科学を学び犯罪心理を

徹底的に学んだのだ。

今作品はシリーズ化され

数々の事件を解決しながら

裕子殺害の犯人を追っていく。

今回は当時

事件を担当した刑事が引退する。

その前に絵麻に連絡してきたのだが

ある事件の現場から裕子殺害時に

現場にあったDNAと一致する

遺留物が発見されたという。

読後感

楯岡絵麻シリーズ

行動心理学を使い

次から次へと難事件を

解決していく様は爽快である。

しかし彼女には

決して忘れることの出来ない

いや、

忘れてはいけない過去がある。

この過去が

彼女の原動力になっている。

絵麻は、

裕子を殺害した犯人は

サイコパスでは

ないかと思っている。

それゆえに行動心理学を

徹底的に学んだ。

正に執念である。

爽快で快活な普段の彼女と

恩師の仇を常に胸に抱く彼女。

彼女の思いを

どうか見届けて欲しい。

作品中の落差は

本編を更に引き立てている。

読者の感想

ほとんどのシーンが取調室での主人公と容疑者の対話のみを中心に描かれているにもかかわらず、どの話も全く飽きることなく最後まで読み切らせる筆力がすごい。わかりやすいキャラクター設定・限定された空間・フォーマットにはめ込みつつも、言い訳せず物語を生き生きと動かしていることに学ぶべき点があるように感じた。 主人公にこれだけ圧倒的な能力を持たせておきながら、その横にいつまで経っても何も学習しない西野をさらっと配置するの、なかなかの豪胆。

容疑者の無意識の行動を心理学で見破る。短編集という事もあってだろうけど本の中の場所の9割りが取調室&登場人物も基本3人だけ(楯岡絵麻、西野、被疑者)って凄い。脳内では北川景子しか思い浮かばなかった!!去年ドラマもあってたとは驚き。見たいけど、脳内でハマりすぎてもう北川景子じゃないと見たくないかも。

飛び入りでどうしても読みたくなった作品なので手に取りました。ほぼ一気読み。行動心理学を得意とする捜査官・楯岡絵麻が取調室で容疑者の嘘を見抜くシリーズ物。どの話も結構ツイストが効いていて好きで、取調室の会話劇がメインになってくるので読むテンポを落とさずに読むことができた。第二話が一番好きかもしれない。第二作も読もうと思うが、実は5月発売予定の第九作目がタイトルだけでもう面白そうなので期待している。

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