百田尚樹 モンスター ネタバレなし!ブスくらいなら良かった。究極に醜い私にはこうするしか…。

スポンサーリンク
スポンサーリンク




スポンサーリンク
スポンサーリンク




百田尚樹 モンスター

ミクタギです。

コンプレックス。

誰もが必ず持ち合わせて

いるものではないでしょうか?

そして皆、

それと付き合いながら

生きている。

しかしそれらを凌駕するほどの

圧倒的なものを抱えたものは、

一体どうすれば良かったのか?

今回はそのあたりを

考えてみましょう?

作者紹介

百田尚樹

大阪府生まれ

2006年に「永遠の0」

で、作家デビュー。

放送作家として

「探偵ナイトスクープ」

などに出演。

代表作

「輝く夜」「ボックス」「影法師」

本編あらすじ

和子は顔に強烈な

コンプレックスを持っていた。

バケモノ扱いされるほどに。

そのため幼少から

常に周りから迫害されてきた。

更には美しい母や姉と比較され

絶望の中で生きるしかなかった。

ただ幼馴染の

エイスケだけは違った。

そんな彼女をいつも守ってくれた。

しかしそのエイスケも

家族の引っ越しと共に

彼女の元を去ってしまう。

再びどん底に突き落とされた和子は

屈辱の学生時代を耐えた。

いつかエイスケに再会するために。

人生をやり直すため、

故郷を離れ都会での生活を決意し、

そこから彼女の

成り上がり人生が始まるが

それは切なく残酷なストーリーの

始まりでもあった。

本編見どころ

都会に出た和子は、

顔も名前も変え、別人になろうとする。

しかし田舎育ちの醜女しこめである彼女が

どのように成り上がろうとするのか?

この物語の焦点である。

そこには壮絶な生き様が予想される。

都会の片隅で一人の孤独な娘が

美しくなりたい一心で

頑張ることが出来たのは

エイスケに再び会うため。

美しくなった自分を一目

見せたいがためである。

女性ならば共感できる人が

多いのではないか?

そして彼女の想いは

どうなってしまうのか?

結末は貴方自身で

見届けてください!

読後感

約500ページの長編だが

どんどん読めてしまう。

作者のテンポ感の良さが感じられる。

名作「永遠の0」も

そうだったが、

読者を引き付けるテクニックは

一流だと思う。

そうやって

読み進めているうちに

感じたのは

人は生まれながらに

平等ではないということ。

皆、分かっていることである。

そして

それに立ち向かい

克服しようとすることは

悪ではないはずだ。

しかし

美しくなった彼女は

幸せだったのか?

何もしなかった彼女と比較して

どちらが幸せだったか?

その答えを考える時

何とも言えない虚しさを感じる。

幸せとは何か?

人それぞれ違う。

だが

人が変えられない

何かに固執したとき

その心には

モンスターが宿るのかもしれない。

読者の感想

有名な作家さんだが初めまして、だった。読みやすかった。 前半は不器量な主人公が、苦労した成長期の話。私も決して器量よしではなく鏡の前で自分はどうして「のっぺらぼう」なのだろうと悩んだ少女時代があったから他人事ではなかった。特に同級生や他の学年の生徒たちからの目が最も気になる時期でもある。ただ主人公があまりに器量のことばかり気にするので、少々辟易した。大人になった主人公も自分の過去の表情を反省している。 整形で美人になってからの復讐劇に共感できなかったが、初恋の人と想いを遂げられてよかった。電子書籍版

初めて読んだ百田尚樹さん。美人という単語が多量に出てくる。幼い頃から男性にモテることもなく女として扱われもしない和子。そんな彼女が整形を繰り返し生まれ変わる。故郷に戻り同級生たちに復讐する。バケモンと呼ばれたのは誰のせいか、人によって意見が別れそう。あまりにも美しさに囚われ、過去の男性に囚われ過ぎた寂しい一生。しかし和子にとっての譲れないものこそがその美しさなのだから、自分で勝ち取れた人生だったと思う。美容外科での、顔の印象と相手に与える影響などが勉強になった。

幼少期から容姿の醜さを馬鹿にされ続けた女性が、風俗で稼いだお金をひたすら整形に使い美女になり、恋と復讐に揺れる物語。女性は容姿の美醜で人生が決まるという残酷な事実を赤裸々に描かれていました。全ての女性の顔を足し合わせると美人が出来上がることから、美人とは平均的な顔でありブスとは個性的な顔であるという学説には驚きました。 人は内面よりも外見が大事と綺麗事を言いますが結局はみんな外見で判断しています。あとがきの最後の1行にはゾクっとしました。

整形する前の和子の人生は辛かっただろうな。上京した娘に引っ越し先も教えない家族も酷い。整形を繰り返して美しくなった未帆、ただ美しく生まれただけの美人より、苦労をして自ら手に入れた美の方が価値がある、なるほどそうかもしれない。でも顔は醜くてもスタイルは良く、肌も綺麗だったようでその事に整形する以前に気がついていればもう少し性格が前向きになれたのでは?とも思ってしまう。故郷にレストランの美人オーナーとして戻った未帆、思い続けた英介との結末は幸せと言えるのか、崎村との未来を受け入れた方が良かったのでは?

自分のためにあるような小説とまで言えるような小説はなかなかないが、これはそう断言してよい。それくらい素晴らしい内容。生まれ持ったコンプレックスを跳ねのけた先に見えた別世界。これまで自分をコケにしてきた世の中に対しての仕返しとばかりに動き回り和子。彼女がテンポよくヒエラルキーの高みに上り詰めていく様子が実に痛快。人間のコンプレックスを綺麗ごとやお涙頂戴でまとめてしまうことなく、ただただ、生々しい温度感覚で突き進む小説に出合えたことが、私としては何よりも嬉しい。

「関連記事」

『モンスター』|感想・レビュー - 読書メーター
百田 尚樹『モンスター』の感想・レビュー一覧です。ネタバレを含む感想・レビューは、ネタバレフィルターがあるので安心。読書メーターに投稿された約1108件 の感想・レビューで本の評判を確認、読書記録を管理することもできます。
真梨幸子 殺人鬼フジコの衝動 ネタバレなし!最悪の家庭に生まれ、気付けば邪魔者を排除することに慣れて…。
真梨幸子 殺人鬼フジコの衝動  ミクタギです! 人はやはり親の 影響を受けるのか? 親から受けた報いを 引き継いで行くことは 宿命なのか? わたしは違うと思いながら ふとした瞬間に感じる親の影。 親と子、 永遠テーマに深く切り込んでいく。...
早見和真 イノセントデイズ ネタバレなし!残虐な殺人鬼と言われた女の真の姿とは…。
早見和真 イノセントデイズ ミクタギです。 本日も少し前の作品です。 今の時代、世間一般の意見 更にはマスコミに扇動された物語は 1人の人間のすべてを 作り上げてしまう。 しかしそれが全くの虚構だとしても その人間に為すすべはない。 それが...

コメント

タイトルとURLをコピーしました