真梨幸子 殺人鬼フジコの衝動 ネタバレなし!最悪の家庭に生まれ、気付けば邪魔者を排除することに慣れて…。

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真梨幸子 殺人鬼フジコの衝動 

ミクタギです!

人はやはり親の

影響を受けるのか?

親から受けた報いを

引き継いで行くことは

宿命なのか?

わたしは違うと思いながら

ふとした瞬間に感じる親の影。

親と子、

永遠テーマに深く切り込んでいく。

作者紹介

真梨幸子

1964年宮崎県生まれ

「孤虫症」で

第32回メフィスト賞 

受賞でデビュー

代表作

「人生相談。」「5人のジュンコ」

「アルテーミスの采配」

本編あらすじ

森沢藤子は11歳、

両親・小学生の妹と一緒に

神奈川県川崎市のマンションに

暮らしていた。

一見すれば高水準の

家庭に見えるが

それは両親の見栄によって

形成されていた。

父親は土木関係の

仕事に就いており

高い水準の給料を貰っていた。

なのに給食費も払えない生活は

二人の度重なる

浪費によるものだ。

フジコの容姿は

決して良くはなかった。

いつも自信のない彼女は

ある時学校で失禁してしまい

それをクラスメートの

男子に見られ脅迫を受ける。

それ以来、

地獄の学校生活を強いられるが

ある日その男子は

踏切で死んでしまう。

更には家に戻ると

家族は惨殺され

自分だけが奇跡的に生き残る。

母の妹である叔母と共に

叔母の住む街へと引き取られる。

ここからフジコの

新しい生活が始まる。

新しい学校生活は

しかし人の顔色を伺う

相変わらずのものだった。

そんな生活の中

クラスで飼っているカナリアが

死んでいるのを発見。

クラスメートのコサカさんに

見られてしまう。

その後、彼女に呼び出され

みんなに正直に

打ち明けることを迫られる。

追い詰められたフジコは

発作的に彼女を殺害してしまう。

ここからフジコの人生は

緩やかに転落していく。

本編見どころ

叔母はフジコが、

母親のようにならないため

一生懸命教育する。

しかし十五歳になったフジコは

次第に叔母を

疎ましく思うようになる。

やがて反動からか

大学生の裕也と

付き合うようになる。

しかし、

フジコの想いとは裏腹に

裕也は彼女に本気ではなかった。

そんな中、

バイト先で杏奈に出会う。

彼女はフジコと違い

美しい容姿を持っていた。

だが気の合う二人には

何の障害にもならなかった。

ここで運命が大きく動き出す。

裕也と杏奈が

結びついてしまうのだ。

激高したフジコは二人を責める。

杏奈に本気になる裕也と

フジコに対する罪悪感から

別れを決意する杏奈。

杏奈から別れを告げられ

取り乱した裕也は

杏奈を殺めてしまう。

その場に居合わせたフジコが

秘密の共有をする代わりに

結婚を約束させ

遺体を処理する。

ここでフジコは完全に

一線を越えてしまう。

ここが焦点です。

今までの弾みとは違い

明らかに意思を持って

犯罪行為を行った。

ここから彼女は

母とは違う人生を送るため

必死に生きようとする。

しかし彼女は

罪を共有してまで守った

裕也に裏切られ続ける。

そして更に

人生を転げ落ちていく。

読後感

この物語は、

実話を前提に作られている。

フジコの娘が

綴ったという設定。

そう思って読み進めると

遣り切れない思いにはなる。

彼女が送ってきた人生は

どこで間違ってしまったのか?

そう問いたくもある。

しかし、

彼女は生い立ちによって

そうなってしまったのか?

今一つ同情できない自分もいる。

なぜか?

結局彼女は、母親の亡霊に

取りつかれてしまったのだ。

やり直すチャンスは

何度もあった。

実際、

裕也と幸せな家庭を

築こうと試みた。

確かに不運な面はあったろう。

自暴自棄になるのも

分からなくはない。

しかしその度、

彼女は安易な選択をしてきた。

このことは

罪と言わざるを得ない。

非常に残念だと思う。

母から子、子からその子へ

負の連鎖が続いていくのなら

どこかで断ち切るしかない。

物語の最後で

そのシーンが登場する。

負の連鎖を断ち切ることが

出来るのか?

断ち切って欲しいと

願わずにはいられない。

読者の感想

生まれた境遇でどういうレベルの人生を送るかは、大方決まってしまうものだと言うが本当にそうなのだろう。その運命から逸脱するには生まれた時から固定概念として持っている、自分の考え方とか生き方を変えなくてはいけないけど、それって多分すごく難しい。学生時代なんて特に、同じような人生を送ってきた人としか出会わないだろうしつるまないだろうし、人間って保守的な生き物だし。親は自分の子に自分のような人生を歩ませるように無意識に誘導するだろうし、真っ当に愛されて育った子供は知らないうちにスポイルされている。

毒親に育てられた藤子。見栄っ張りのネグレクトの親はある日、何者かによって惨殺される。藤子も傷を負いながら生き残りとして叔母に引き取られる。人の顔色を伺いビクビク生きる藤子。ある日クラスメイトの小坂にカンニングとカナリアを殺したことを指摘された藤子は小坂を突発的に殺してしまう。親から愛を享けす育ち、器量のよくない藤子の劣等感は深く暗い。いくら表面をロウで覆っても満たされない藤子は次々に人を殺めていく。あれだけ軽蔑していた母親と同じような女が出来上がる負の連鎖。ページを捲るごとに闇が深くなっていく本であった。

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