米澤穂信 ボトルネック ネタバレなし!迷い込んだ世界には違う現実が待っていた…。

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米澤穂信 ボトルネック

ミクタギです!

パラレルワールド。

ご存知ですか?

人間が起こす行動には

何通り、いや

何十通りものもの可能性がある。

いわゆる “空間のねじれ” である。

一つ行動が変われば人生も変わる。

今、貴方が歩いている人生も

もしかしたら別のものに

変わっていたかもしれない。

作者紹介

米澤穂信ほのぶ

1978年 岐阜県生まれ

2001年「氷菓」で

角川学園小説大賞激励賞 受賞

「氷菓」を含む『古典部シリーズ』

「春期限定いちごタルト事件」

などを含む『小市民シリーズ』

などで人気を誇る。

代表作

「折れた竜骨」「インシテミル」

「儚い羊たちの祝宴」

本編あらすじ

嵯峨野リョウ・・・高校1年。

嵯峨野サキ・・・高校2年。リョウの姉?

諏訪ノゾミ・・・高校1年。リョウの同級生。

結城フミカ・・・ノゾミの従妹。

嵯峨野リョウは

東尋坊の岸壁に来ていた。

ここで亡くなった諏訪ノゾミの

死をまだ受け入れられないからだ。

そこで思いに耽る中

岸壁から転落してしまう。

あー、ここで僕は死んでしまうのだ。

そう思い覚悟を決めた。

気付くと自分の住む町

金沢に戻っている。

自宅に戻ってみる。

インターフォンを鳴らすと

見知らぬ女性が出てきた。

女は誰かと尋ねてくる。

お前こそ誰だ。

聞けばこの家は

自分と彼女が

入れ替わっているだけで

それ以外家族構成は変わらない。

彼女はサキ。

自分の前に生まれる予定だった子だ。

流産だった。

お互いに家族のこと

などを質問し合うが

当たり前だが当たっている。

しかし微妙にずれている。

リョウは自分が

異次元に迷い込んで

しまったことに気付く。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

その後サキと行動を共にするが

通っていた店の未来が変わっている。

違和感を覚える中

諏訪ノゾミが現れる。

サキの後輩という設定だ。

この世界のノゾミは底抜けに明るい。

自分の知っている彼女とは正反対だ。

彼の知っている彼女は

親の事情で横浜からやってきた。

自分の生い立ちを

ネガティブに捉えている女の子だ。

そんな彼女に恋心を抱いた。

しかし目の前に

現れた彼女は全く違う。

戸惑う彼と

少しずつ状況を理解するサキ。

二人で状況を確認し合う中

ノゾミの従妹・フミカが現れる。

彼女を毛嫌いするサキ。

理由はフミカの人の不幸が

大好物である性格にある。

そしてそのことが

東尋坊で命を落とした

ノゾミの死因に繋がってくる。

リョウとサキは

真相を確かめるため東尋坊に向かう。

本編見どころ

リョウのいた世界と

サキがいるもう一つの世界。

少しずつ違いがみえてきた。

思いを寄せた

ノゾミの未来も変わっている。

中学生で終わった彼女の人生は

高校生になって続いている。

何が未来を変えたのか?

ここが焦点だ。

リョウとサキ。

この違いだけと

思えたもう一つの世界は

知るたびに趣を変えていく。

そしてサキと

真実を追いかけるうちリョウは

全ての原因に気付いてしまう。

それは受け入れ難い結末だった。

読後感

瓶の首は細くなっていて

全体の流れを妨げる。

ボトルネックの意味である。

ネックになったのは誰か?

妨げたのは誰か?

二つの似て非なる世界。

ノゾミの未来が明確に示している。

何が未来を変えたのか?

異次元の世界。

子供の頃、何度も考えた。

どんな世界だろう?

もし自分の

もう一つの人生があったなら?

夢は膨らむ。

果たせなかった思い。

もう一度やり直したい。

変えてみたい未来。

思いは馳せる。

しかし自分が存在する世界が

望まないものだった時

それはどう受け止めれば良いのか?

自分に置き換えても想像し難い。

ただ言えることは

今この人生は自分が生きている。

どのような結末を迎えても

すべて受け入れる。

そうでなければこの人生は

砂上の楼閣に過ぎないことになる。

読者の感想

恋人を弔っていた崖から飛ばされてしまったパラレルワールドでは、流産だったはずの姉が生きてて自分は生まれていなかった。活発で聡い姉とネクラな主人公の中盤まで掛け合いは青春ライトノベルの雰囲気で「なんで読みたい本にしたんだっけ?」と思ったものの、恋人の死の真相、パラレルワールドでの両親や兄、恋人の姿で周りの人が不幸になったのは姉が生まれたか、自分が生まれたかの違いではと気づいてしまう。「個性は誰にだってある。しかし、違っていることはそれだけでは価値を生まない」グサグサ刺さる!そーだ、イヤミス作品だったー!

嵯峨野リョウは、自分ではなく嵯峨野サキが生まれていたパラレルワールドに来てしまった。サキがいる世界で、自分がいた世界との間違い探し。驚くべきことが次々とわかっていく。自分がいた世界では酷いことばかりだ。ボトルネックは自分だったのか。ラストシーン、どうにも読み手次第な感じで。久しぶりに米澤穂信さんの本を手に取った。「氷菓」を息子に勧められて以来シリーズ作品を読み続けた時期があります。読み出したら引き込まれてしまう。「インシテミル」も積読したままなのでこの勢いで読もう。

ホータロー、家庭環境が良くてよかったな。「リョウ世界でのノゾミの死の真相が明らかでなくサキの推測に過ぎないものが真実のように扱われていることに違和感」という話、ボトルネックたるリョウにとってはそのネックが解消された状態であるサキが絶対に正しい・良いという意識なのでは。

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