東野圭吾 赤い指 ネタバレなし!公園で発見された少女の遺体。近隣を捜索するとある家が気になった…。

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東野圭吾 赤い指

ミクタギです!

家族は助け合うべきだ。

しかし

その誰かが犯罪に

手を染めた時はどうだろう?

家族の誰かが誰かをかばったら?

罪悪感を覚えながらも

やはり守ろうとするのだろうか?

作者紹介

東野圭吾

1958年

大阪府生まれ。

1985年「放課後」で

第31回江戸川乱歩賞 受賞

1999年「秘密」で

第52回日本推理作家協会賞 

2006年「容疑者Xの献身」で

第134回直木賞 受賞

代表作

「夢幻花」「新参者」

「祈りの幕が下りる時」

本編あらすじ

加賀恭一郎・・・練馬西署員。

松宮修平・・・警視庁捜査一課。恭一郎の従兄弟。

加賀隆正・・・恭一郎の父。

前原昭夫・・・直己の父。

前原八重子・・・昭夫の妻。

前原直己・・・昭夫・八重子の一人息子。

前原政恵・・・昭夫の母。

加賀恭一郎は従兄弟・修平から

父・隆正の見舞いに

訪れるように何度も促される。

母の死による確執が

二人の間にはある。

担当看護師は

隆正の趣味である

将棋の相手を継続している。

微妙な二人の関係を

回りは気遣う毎日だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

そんな中、都内の公園から

少女の死体が発見される。

一報を聞いた

恭一郎は現場に駆け付ける。

しかし遺体の状況に違和感を覚える。

調べを進める中

ある一家に注目した恭一郎は

早速接触を試みる。

前原家は夫婦と息子一人

年老いた母と4人暮らしだ。

毎日帰りの遅い夫と

引きこもりの息子。

妻と夫の母は

所謂、嫁と姑の関係だ。

しかし雅恵は

認知症を疑われている。

恭一郎の調べを受け

前原家は認知症の雅恵が

犯行に及んだと告白する。

しかし恭一郎は

何度も訪問する中

ある可能性に気付くことなる。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

病室で看護師と

将棋に耽る隆正はいつも負けていた。

それを悔しがる彼は

いつも嬉しそうだった。

やがて様態が変化し

隆正は息を引き取る。

結局、恭一郎は

最後まで会うことはなかった。

病院に手続きで訪れた恭一郎は

将棋の相手をしてくれた

看護師に会う。

次の一手を

連絡していた彼は礼を言うが

看護師は言う。

“お父さんは分かっていました。

相手が私ではなく息子であることを”

彼は最後まで父を許せなかった。

しかしそれも全て終わった。

本編見どころ

父・隆正の後を追って

恭一郎は刑事になった。

しかし母の死に目にも

会えなかった父を

どうしても許せなかった。

尊敬していながら許せない父。

矛盾を抱えながら恭一郎は

ここまで生きてきた。

刑事として父を超えることで

折り合いを付けようと

していたのかもしれない。

今回の事件も家族に纏わるものだ。

認知症の母に責任を

押し付けようとする家族を

救わなければいけない。

そんな思いからか真相を探る中、

恭一郎は

ついに真犯人を見つけ出す。

読後感

父と息子。

近すぎて遠い関係。

息子にとって父は憧れであり

越えなければいけない存在だ。

しかしそこに

母という確執が加わると

関係は複雑になる。

認め合っていながら

素直になれない思い。

どの家庭でも起こりうることだ。

この事件も家族の思いが入れ乱れ

不幸を招いてしまった。

ただ被害者に罪はない。

その無念を晴らすためにも

真相を暴かなければならない。

不幸な結末を予想しながら

捜査を進める恭一郎は

何を思っていたのだろう。

修平に攻められながら

事件と自分を

重ねていたのかもしれない。

その父も亡くなった今、

全ては終わったのか?

いや、

それはこの先も続くだろう。

父の歩いてきた道を辿ることで

この先の自分と折り合いを

つけていくのかもしれない。

父が看護師と続けていた将棋。

そこには確かに親子の絆があった。

当の昔に失くしたと思っていた絆が

将棋盤を通して

見付けられたのだろうか?

読者の感想

とってもよく出来たエンターテインメント小説。とりわけ加賀恭一郎ファンには最高だろう。直木賞受賞後第1作ということだが、ミステリーとしての構成にも意気込みが見られる。犯人は最初からわかっており、作品の妙味は畢竟昭夫とその家族の問題にかかっていた。しかも、家族の在り方としては加賀もまた問われるという構成の妙をも見せている。本編で最も読者を唸らせるのは、2重3重に張り巡らされたエンディングだろう。それはまさにプリーストリーの『夜の訪問者』のそれに匹敵する。東野圭吾の中にもそれは強く意識されていたかもしれない。

久しぶりの東野圭吾作品、あっという間に読了。前半は胸糞悪いお話でしたが、家族の在り方を改めて考えさせられました。子育てをする身として常に子供の味方では居たいけれど、直己のようにはなって欲しくないと思います。でも八重子の気持ちも分かる気がする、だからといってやったことは最低だけど。現代の家族問題を捉えた作品だと思います。加賀刑事が最後までかっこよかった。シリーズ物なのかな?他のも読みたいです。

自分の息子の犯した殺人を認知症の自分の親に擦り付ける。 親の逮捕寸前で、親から受けた愛情をことごとく感じさせられ、自作自演は思い留まる。 これでもかこれでもかと、こちらの予想しない展開が見事なまでに繰り広げられる。 最近読んだ東野さんの『希望の糸』に登場する松宮刑事も登場。こちらでは松宮刑事のお父様の事はさらりと触れられているが、実は深い闇があることを『希望の糸』では語られている。 作品同志が長い期間をかけて結びついているのを感じる。心に残る名作だ。

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